精神分析基礎講座について
 「対象関係論勉強会」が運営してきた同名の系統講義は日本精神分析協会認定の基礎セミナーとして、そして日本精神分析学会認定の系統講義として認められてきました。 
 2016年度より、「対象関係論勉強会」が運営する系統講義を、対象関係論に偏らないより広い精神分析を基礎から学ぶ入門的系統講義として再編成し、「精神分析基礎講座」に名称を変更しました。
 守秘義務をもつこころの臨床家であれば、だれでも参加できます。名称を変更しても、日本精神分析協会、日本精神分析学会の認定は維持されています。

 精神分析的実践は講義を聴いただけで学べるものではありません。治療者として、患者としての精神分析体験、スーパービジョン体験、グループセミナー体験、原典読書体験といったさまざまな体験を積み重ねることが、精神分析的自己を自分のなかにしだいに創り出していきます。そうした訓練への興味を掻き立て、訓練を知的にガイドすることが系統講義の目標です。

 現在この勉強会は、北山修、松木邦裕、藤山直樹、岡野憲一郎、妙木浩之という5人の精神分析家を運営委員として運営されています。この5人と主に精神分析家である多彩なゲスト講師陣とが講師を務めます。司会や事例提供者には、この勉強会の卒業生である日本精神分析協会の精神分析家候補生の臨床家をお願いすることもあります。

 この勉強会は3年でひとまとまりになっています。
 1年目は理論編としてフロイトを中心としてその次の世代までの理論家の業績のガイドを行います。
 2年目は最初の半年は理論編の続きとしてより最近の理論的発展を追い、後半は基礎臨床編として、
サンドラ―の「患者と分析者」をテクストとして技法論の基礎を学びます。
 3年目の前半は臨床実践編として、講師や卒業生の提示するケースを検討し、後半は発展編として現代の精神分析にとって重要なさまざまな思考に開かれます。
 各年次の初めから履修していただきますが、2年目、3年目からのエントリーは可能です。

 精神分析的臨床はひとのこころの本質的なものを動かす力のある、
実質をもつ営みです。そうした営みに心理臨床、精神医療のなかで
働いている皆様が少しでも触れることに、この勉強会は役立ちたい
と考えています。それを通じて、皆様ひとりひとりの臨床実践は
奥行きと深みを獲得するでしょう。そして、精神分析的臨床の大きな
海への航海に乗り出す気持ちが生まれるかもしれません。
 
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